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アドルフ・ヒトラー著「我が闘争(Mein Kampf)」について

1:岡田 次昭 :

2024/05/07 (Tue) 07:52:36

https://bbs3.fc2.com//bbs/img/_636800/636748/full/636748_1715035957.jpg 令和6年5月5日(日)、私は、アドルフ・ヒトラー著「我が闘争(Mein Kampf)」について纏めました。
私は、大学1年生の時にこの一部を読んだことがあります。

「我が闘争」( Mein Kampf)は、ナチ党指導者のアドルフ・ヒトラーの著作です。
全2巻で、第1巻は1925年、第2巻は1926年に出版されました。
この書物はヒトラーの自伝的要素と政治的世界観(Weltanschauung)の表明などから構成されていて、ナチズムのバイブルとなりました。
ヒトラーは1923年11月のミュンヘン一揆の失敗後、獄中でこの書物の執筆を開始しました。
執筆中に本を2巻にすることとし、1巻は1925年当初の発行を予定しました。
ランツベルク刑務所の管理者は「彼(ヒトラー)はこの本が多くの版を重ねて、彼の財政的債務や法廷費用支払の助けとなる事を望んだ」と記しました。
ヒトラーは1924年、ランツベルク刑務所で収監されていたエミール・モーリスに、のちにルドルフ・ヘスに対し口述しました。
出獄後、ベルンハルト・シュテンプフレ、新聞記者のヨーゼフ・ツェルニーらが手直ししていますが、雑な著述と反復が多く、読解するのが困難であったといわれています。
第1巻は、1925年7月18日にナチ党の出版局であるフランツ・エーア出版社から発売されました。
価格は12ライヒスマルクで、当時の一般書の約2倍の値段になりました。
これは、あまり売れないと判断したエーア出版社が、少部数でも元を取れるようにしたためといいます。
1925年には9,473部、1926年には6,913部が売れました。
1926年12月には第2巻が出版されました。
しかしながら、1927年の売り上げは全巻をあわせて5,607部に留まりました。
その後のドイツ国内におけるナチ党の支持層拡大とともに、本の売り上げは増大し、1930年には54,080部が売れました。
また、この年には1巻と2巻を合本した廉価版が8ライヒスマルクで売り出されています。1931年には50,808部が売れ、ヒトラーに多額の印税収入をもたらしました。
ナチ党の権力掌握後、ヒトラー政権下で、「我が闘争」は事実上ドイツ国民のバイブル扱いを受けるようになりました。
結婚する全ての夫婦に同書を贈呈することが奨励され、各自治体がフランツ・エーア出版社に発注した婚礼用の「我が闘争」が、婚姻届を提出した夫婦に贈られました。
本書の販売は、ヒトラーに数百万ライヒスマルクの収入をもたらしましたが、購入者の大半は内容をほとんど読んでいませんでした。
ヒトラーに対する忠誠、ナチ党内での地位の維持、ゲシュタポの追及をかわすために仕方なく購入した者もいたといわれています。
1939年には上下巻を合本し、特別な表装をほどこした「Jubiläumsausgabe」と呼ばれる版が出版されました。
第二次世界大戦敗戦によるナチ党政権崩壊までに、約1,000万部がドイツ国内で出版されたといわれています。
最初の日本語版は、1932年に内外社から刊行された「余の闘争」(坂井隆治訳)です。
以後、終戦までに、大久保康雄、室伏高信、真鍋良一、東亜研究所特別第一調査委員会が訳を手がけ、別々の会社から刊行されています。
ヒトラーはこの書において、アーリア人種(ドイツ人を含む)を文化創造者、日本民族などを文化伝達者 (Kulturträger)、ユダヤ人を文化破壊者としています。
日本の文化というものは表面的なものであって、文化的な基礎はアーリア人種によって創造されたものにすぎないとしています。
強国としての日本の地位もアーリア人種あってのこととしています。
もしヨーロッパやアメリカが衰亡すれば、いずれ日本は衰退して行くであろうとしています。
1940年9月27日、日独伊三国同盟が締結されて以降、この書物は陸海軍の将校たちに愛読されました。
ところが、井上成美(イノウエ シゲヨシ)海軍中将は、英語とドイツ語に堪能でした。
翻訳された「我が闘争」には、日本に都合の悪いことが削除されていることを看過しました。
最も顕著な記述において、ヒトラーは、「ユダヤ人は文化破壊者」と決めつけ、ユダヤ人絶滅を部下に命じました。
この結果、罪もない600万人のユダヤ人が強制収容所にて命を落としました。
使われたのは、ツィクロンB (Zyklon )という毒薬でした。
強制収容所の入口には「Arbeit macht frei (アルバイト マハト フライ)」の言葉が掲げられています。
「働けば自由になる」という意味です。
何とも皮肉な言葉です。
(了)


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